9月号あらまし
[特集 災害対策ソリューションへの取り組み]
NTTグループでは,災害や危機に関する対策についてさまざまな取り組みを進めている.本特集ではグループ各社が新たに開発した防災システム,および災害対策ソリューションを紹介する.
<キーワード>非常用電源,監視映像解析,次世代防災システム,緊急連絡,バーチャル
・環境・防災プロデュースの取り組み
前田 裕二・大山 孝・明神 秀幸・小田 順教・杉山 泰之・遠藤 仁久・本庄 克彦/NTT第三部門
近年,自然災害の多発に伴い,行政,企業,そして市民の防災意識,防災市場が拡大しています.NTTのR&Dにおいても,年々高まる防災ニーズにこたえるべく本年2月に環境防災プロデュースチームが発足しました.ここでは,環境・防災プロデュースにおける防災ビジネスに対する取組概要と,今後の方針について紹介します.
<キーワード>減災,災害,プロデュース
・防災分野におけるICTの活用−円滑で確実な情報の伝達に向けて
田仲 正明/NTT西日本
NTT西日本が注力してきた,トレンドに対応したシステムの構築,防災をキーワードにした国へのアプローチ,確実な情報の伝達,の3つの新たな取り組みを紹介します.
<キーワード>情報の共有化,システム構築,実地検証
・防災アウトソーシング事業−岐阜県総合防災情報システム
千原 誠・湯舟 誠孝・小野 芳美・杉山 雄隆/NTTコミュニケーションズ・NTT西日本―岐阜
NTTコミュニケーションズが取り組む岐阜県総合防災情報システム整備事業は,防災事業としては全国初の,構築から保守・運用まで一括して行う包括的アウトソーシング事業です.本稿では,その事例を通じて,NTTコミュニケーションズが取り組む新たな防災事業の形態について紹介します.
<キーワード>県防災,防災情報システム,防災アウトソーシング事業
・リアルタイム橋梁遠隔監視システムの開発
石川 裕治・竹本 健一・宮崎 早苗/NTTデータ
NTTデータでは,地震発生時あるいは平常時に橋梁の損傷状態を常時把握するために,光ファイバセンサにより橋梁を遠隔監視するシステムの開発に取り組んできました.本システムでは地震発生時に多数の橋梁の被害状況をリアルタイムで収集し,短時間に交通可否を判定します.さらに平常時には,監視映像との統合解析により,橋梁損傷の主要因となっている重量超過車両の交通状況のデータ収集を行います.本稿では,橋梁遠隔監視システムの概要を説明するとともに,橋梁異常リアルタイム監視技術および重量超過車両の監視技術の実現に向けた取り組みについて紹介します.
<キーワード>橋梁監視,光ファイバセンサ,監視映像解析
・NTTコムウェアの次世代防災ソリューション−タンジブル防災シミュレータ
近江 貴晴・小林 和恵・成田 篤信/NTTコムウェア
NTTコムウェアでは,新しいユーザ・インタフェース技術を適用した次世代の災害シミュレーションシステムの開発に取り組んできました.災害の被害規模の予測,対策の立案,意思決定を支援するシステムです.
<キーワード>減災,次世代防災システム,タンジブル・ユーザ・インタフェース
・モバイル技術を活用した環境防災システム
岸本 亨 /NTTアドバンステクノロジ
災害の現場では,時々刻々と変化する状況の蓄積・管理が行え,その結果として素人でもプロ的な決定ができることが非常に重要となります.本稿では,特に携帯電話等のモバイル系技術を活用した環境防災システムの事例を紹介します.
<キーワード>携帯電話,防災情報,緊急連絡
・バーチャル災害体験コンテンツ
永山 武志 /NTTラーニングシステムズ
3Dの仮想空間の中で通常「体験」することはありえない大災害に遭遇して「経験」を積み,将来実際に大災害に遭遇した場合の対処の仕方について学習するためのシステム「バーチャル災害体験コンテンツ」を開発しました.
<キーワード>体験,バーチャル,学習
<主役登場>
・安心・安全な社会の実現に向けた防災システムの研究開発を目指して
大山 孝/NTT環境エネルギー研究所 主任研究員
[グループ企業探訪]
・テルウェル東日本株式会社
仕事と暮らしを支える高品質なサービスを提供する
財団法人電気通信共済会として発足したのが1952年.以来,長年培ったスキルとノウハウをベースに2001年,収益事業を継承して設立されたのが,テルウェル東日本・西日本だ.テルウェル東日本は法人向けの各種アウトソーシングを中心に幅広い事業を展開,「お客さまの多様なご要望にワンストップでおこたえすること」を使命とする.
[from NTT西日本]
・超高速・高品質な光インターネット回線を利用した「ひかりグリッド」
NTT西日本では,遺伝子の構造解析や気象予測など高速で大規模な計算処理が必要なお客さまに対し,グリッド技術を利用した計算処理の受託業務を,「ひかりグリッド」として昨年12月22日から提供開始しました.本サービスはNTT西日本のフレッツユーザのCPUなどのPCの余剰能力を利用し並列計算させることで,仮想的なスーパーコンピュータを実現するものです.
[R&Dホットコーナー]
<ソリューション>
・柔軟なシステムを実現するプロセス制御技術
増田 健・小笠原 志朗・大石 晴夫・橋本 健一・田山 健一・山村 哲哉/NTTアクセスサービスシステム研究所
光サービス提供の迅速化を実現する光アクセス設備オペレーションサポートシステムには,業務環境のダイナミックな変化に追随しつつ,使いやすい機能を提供することが求められます.複雑で多様な設備選定作業を,制約充足の考え方に基づく対話処理とすることで,ワークフローシステムでは不可能な高い柔軟性を実現する技術を紹介します.
<キーワード>ワークフロー,オペレーション,例外処理
<ソリューション>
・硬質地盤に適した下部支線アンカの開発
中村 行男・龍野 俊康・金子 亮一・三浦 重宏/NTTアクセスサービスシステム研究所・NTT-ME・NTT東日本
電柱にケーブルを架渉する場合,電柱に加わる張力を平衡に保つよう上部支線ならびに下部支線を設置します.従来,下部支線には支線アンカを一般的に用いていましたが,支線アンカは人力による打込式であるため硬質地盤での施工が困難でした.今回,硬質地盤での施工を容易にする「グローブアンカ」および「グローブアンカL」を開発したので紹介します.
<キーワード>グローブアンカ,下部支線,硬質地盤
<ソリューション>
・「環境知能」プロジェクトの進展
南 泰浩・堂坂 浩二・森 啓・前田 英作/NTTコミュニケーション科学基礎研究所
NTTコミュニケーション科学基礎研究所では,「環境知能」をテーマとした研究プロジェクトを進めています.このプロジェクトの目的は,音声処理,音響処理,言語処理,対話,視覚情報処理,探索,学習,ネットワークのコミュニケーションのための情報処理技術を有機的に統合することにあり,それによって実現される新たな生活様式の提案も視野に入れています.本誌2005年11月号で,プロジェクトの立ち上げから昨年6月のオープンハウス2005までの取り組みについて紹介しました.ここでは,環境知能プロジェクトのその後の進展について報告します.
<キーワード>環境知能,知能統合,情報系基礎研究
<ソリューション>
・i-Vistoを用いた非圧縮HDTVのコンテンツ制作・配信実験
八田 誠治・小倉 毅・谷田川 智史・沖本 忠久・井上 剛/NTTネットワークサービスシステム研究所・NTT未来ねっと研究所・NTTアドバンステクノロジ・NTT西日本・NTTコミュニケーションズ
NTTネットワークサービスシステム研究所とNTT未来ねっと研究所は,世界に先駆けて開発したIPネットワーク上で非圧縮HDTVを16本同時に蓄積・配信可能なサーバ(i-Visto eXmedia server)とi-VistoゲートウェイXGを用いて映像ネットワークシステムを構築し,NTT西日本,NTTコミュニケーションズとともに放送業務での利用を想定した実証実験を行いました.ここでは,NAB2006でのデモンストレーションとInterop Tokyo 2006/IMC Tokyo 2006でのコンテンツ制作・配信実験の内容について紹介します.
<キーワード>非圧縮HDTV,蓄積配信,IP
[GROUP・TOPICS]
<Event Report>
・「未来想論2006NTTコミュニケーション科学基礎研究所研究交流会」開催報告
松原 繁夫・古川 茂人・木村 昭悟・鈴木 潤/NTTコミュニケーション科学基礎研究所
NTTコミュニケーション科学基礎研究所は,本年6月2日に未来想論2006 NTTコミュニケーション科学基礎研究所研究交流会を開催しました.ここではその報告をします.
<キーワード>研究交流会,基礎研究,未来理論
[情報流通―世界の潮流―]
・開発途上国に生きるNTTの技術:技術を通じた国際貢献−ブータン王国編
山口 順也/NTT東日本
NTT東日本では,総務省,JICA(国際協力機構)からの要請に基づき,開発途上国に技術協力専門家等派遣を行っています.今回はブータン王国の通信公社へJICA専門家として派遣された筆者が電電公社・NTTで培った技術ノウハウを相手国の実情に合わせ,いかにして技術移転を行ったかについて紹介します.
<キーワード>JICA専門家,工夫改善活動,作業の標準化
[グローバルスタンダード最前線]
・GlobalPlatformにおける標準化動向
庭野 栄一・五郎丸 秀樹/NTTサービスインテグレーション基盤研究所
現在,多様な分野においてICカードの導入が進められており,ここ数年来,1枚のカード上に複数のICカードアプリケーションを搭載・管理するための技術が注目を集めてきました.ここでは,このようなマルチアプリケーションICカード管理技術の標準においてもっとも有力な標準化組織の1つであるGlobalPlatformに関する標準化動向を紹介します.
[知財ニュース]
・他人が著作権を有する映像コンテンツを利用する際の留意点
吉田 昌人/NTT知的財産センタ
事業を遂行するうえで,他人が権利を有する映像コンテンツ(著作物)を利用する機会が多くあります.そこでそのような映像コンテンツを利用する際の留意点について主に著作権の観点から説明します.